めぐみです。
今日は、仮想通貨の話には必ずセットで出てくる「ICO」について書きたいと思います。
仮想通貨の概念と並び、ICOの概念も非常に分かりづらいものです。
仮想通貨についてもよくわからない!という人は、仮想通貨についての理解をまずは深めるといいでしょう。
ICOは仮想通貨という新たな通貨によって生み出された画期的なお金集めの方法です。
しかし、明確なルールが定まっていないことにより、それを悪用する人が起こす詐欺案件などが多いことでも知られていて、悪名高いイメージもあります。
今日はそんなICOについて、分かりやすく解説します。
- ICOが行われる目的とは?
- ICOではどのようなステップが踏まれるのか?
- ICOとIPO・クラウドファンディングとの違いは?
- ICOを実施する側のメリットとデメリット
- ICOに投資をする側のメリットとデメリット
- ICOに将来性はあるの?
- ICO投資を始めるためのステップは?
仮想通貨もICOもすでに「今さら聞けない・・」と思っている人も少なくないと思いますが、この記事では初心者でも理解ができるようまとめていますからぜひ一度読んでみてください。
もくじ
理解が難しいICOを簡単に言うと?
まずは、ICOがどういったものなのか、ここではできるだけ簡単に概要を説明します。
まずここでざっくりとICOについて掴み、次項から詳しく理解を深めてみてください。
ICOの概要
引用:https://unsplash.com/photos/iGYiBhdNTpE
先ずは、ICOの概要から説明します。
ICOは、Initial Coin Offering(イニシャル・コイン・オファリング)の略で、「新規仮想通貨公開」という意味の言葉です。
ICOの他にも、「トークンセール」「クラウドセール」などと呼ばれることもあります。
文字通り、新たに仮想通貨が公開されて、一般の人が扱えるようになることを指します。
扱えると言っても、その仮想通貨を使って買い物ができるようになったり、お小遣いやお祝い金として手渡せるようになったりするということではありません。
新たに発行された仮想通貨の価値が上がり下がりする特性を利用して投資をしたり、その仮想通貨が使えるプロジェクトやゲームに参加するために使われます。
「新規仮想通貨公開」と言っても使える場所は限定されることになります。
ICOの歴史
引用:https://unsplash.com/photos/I_LgQ8JZFGE
一番最初のICOは、2013年にMasterCoinが行いました。
このときには約500万ドルが資金調達できたと言われています。
そして有名なのが2014年のイーサリアムのICO。
このときのICOで、約1,800万ドル(約18億円)の資金が集まりました。
この巨額の資金調達の成功によって、ICOが現実的にしっかりと機能する仕組みであることが明確になったと言われています。
その後、2017年と2018年がICOのひとつのピークでした。
2017年だけで日本円に換算して約6,900億円の資金が集められ、翌年の2018年にはさらにこれを上回る約8,500億円の資金調達が実現されました。
しかし、その後大幅な減少へと転じ、2019年現在はその規模は縮小していると言われています。
ICOの目的
引用:https://unsplash.com/photos/IM0GHpsjJic
そして、ICOを実施する側から見ると、ICOは個人や企業が独自のプロジェクトを行うための資金集めのために活用されています。
新たなプロジェクトには資金が必要ですが、仮想通貨を新たに発行して、それにより資金集めをするのがICOです。
従来の資金調達方法に比べてICOは非常に簡単で取り組みやすく、それにもかかわらず莫大な資金調達に成功することが可能です。
これまでに世界中で数百万人の人がICOに参加し、それによりICO実施側は総額1兆円以上の資金調達に成功しているのです。
ICOの仕組み・ステップ
ICOのざっくりとした概要については分かりましたか?
ここからはICOの具体的な説明に入ります。まずは、ICOが行われる仕組みやステップの説明から。
ICOが行われる仕組みは至って簡単です。
しかしこのICOの仕組みについて知る前に、「トークン」というものについて知っておく必要があります。
トークンとは?
引用:https://pixabay.com/ja/photos/%E7%81%AB%E3%81%8B%E3%81%8D%E6%A3%92-%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88-%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%B3-3201341/
トークンは、ICOを知る上では重要なポイントです。
トークンとは、ICOに参加したことを証明する証のようなもの。
投資家たちはICOで資金を投資する代わりに、このトークンを受け取って保有することになります。
トークンとは、仮想通貨とほぼ同じ意味で使われる言葉です。
しかし厳密に言うと、既存の仮想通貨のオリジナルブロックチェーンをコピーして作られたものがトークンです。
ビットコインやイーサリアム、ネムといった仮想通貨はオリジナルのブロックチェーンを保有しています。
一方で、トークンはこれらのブロックチェーンの一部分を間借りするような形で生み出されます。
このように聞くとトークンを生み出すのは難しそうなイメージがありますが、実際には既存のプラットフォームの上で簡単に生み出すことができるのです。
本記事ではトークンについて、「仮想通貨トークン」という表記で統一し解説します。
それではICOが行われる流れをご説明します。
ステップ1・独自の仮想通貨トークンの発行
引用:https://www.pakutaso.com/20180258039self-gox.html
企業や個人は、まず独自の仮想通貨トークンを発行します。
この仮想通貨トークンとは前述した通り、ICOに参加したことの証明のようなもので、最初はほとんど価値がありませんが、内容によってどんどんその価値が上がっていくことがあります。
ステップ2・独自に発行した仮想通貨トークンのPRと販売
引用:https://unsplash.com/photos/r02wxT3-PYw
次に、企業や個人はこの独自に発行した仮想通貨トークンについてをPRし、そして販売します。
実際に購入してくれそうな投資家たちにオファーをすることもあります。
ステップ3・投資家が独自に発行された仮想通貨トークンを購入
引用:https://unsplash.com/photos/eBWzFKahEaU
このオファーを受けて投資家たちが仮想通貨トークンを購入します。
この段階でICOを実施した企業や個人に資金が入ってくることになります。
この独自の仮想通貨トークンの購入は、ビットコインやイーサリアムなどの既存の他の仮想通貨によって行われます。
そのため、企業や個人は、資金を仮想通貨の形で得ることになります。
ステップ1でも説明したように、投資家たちが独自の仮想通貨トークンを購入した段階では、まだ仮想通貨トークンにはほとんど価値がありません。
しかし、その後調達した資金により、プロジェクトやサービスの開発が進むと、発行した仮想通貨トークンが仮想通貨取引所において上場することが認められます。
そうなると投資家たちが保有している仮想通貨トークンも正式に売り買いできるようになります。
そのプロジェクトや製品に人気が出て評価が上がれば上がるほど仮想通貨トークンの価値も上がるようになり、購入時よりも相場が上がり利益を生み出すことができるようになります。
ICOとIPOの違い
ここまでくると、ICOがIPOと非常に似ている仕組みを持っていることに気がつくのではないでしょうか。
ここではIPOについて詳しくない人のためにIPOについて分かりやすく解説し、さらにIPOとICOの違いについても詳しく述べていきます。
IPOとは
引用:https://unsplash.com/photos/5gGcn2PRrtc
IPOとは、Initial Public Offering(イニシャル・パブリック・オファリング)の略で、「新規株式公開」を意味しています。
IPOとは、新たに上場する企業が株式を発行して資金調達をすることです。
IPOを行い証券取引所に上場すると、一般の投資家たちにも株式が売り出されることになり、投資家たちはその企業の株取引ができるようになります。
ICOとIPOの違いとは
引用:https://unsplash.com/photos/I95_6sicXdo
ICOでは仮想通貨トークンが発行され、IPOでは株式が発行されるという違いがありますが、ICOもIPOも実施側が資金を調達する手法という点では同じです。
しかし、それ以外にもICOとIPOではいくつかの違いがあります。
ICOとIPOの違い
ICO | IPO | |
上場の必要性 | 無 | 有 |
投資家の議決権 | 無 | 有 |
資金調達エリア | 世界中 | 日本国内 |
踏まれるステップ | ①ICO ②上場 ③製品・サービス完成 ④企業・事業成長 | ①製品・サービス完成 ②企業成長 ③上場 ④IPO |
違い1・上場の必要性の有無に違いがある
IPOは、東証やJASDAQなどの証券取引所に上場して初めて株式を公開することができます。
そのためIPOの場合、資金調達するためには上場がマストです。
IPOの場合、株式上場は非常に難易度が高く、コストや時間も要します。
デューデリジェンスと呼ばれる独自の審査に通過する必要がありますが、それまでの準備に5千万前後の資金が必要ですし、期間も3年前後かかります。
一方、ICOは上場していなくても資金調達することができます。
仮想通貨取引所への上場自体はハードルが高いものですが、それは仮想通貨トークンを発行・販売したあとで行われます。
つまり、ICOの実施側は自身のプロジェクトが評価されて投資家たちに投資されれば資金を得ることができますが、反対に投機的な目的でICOに参加する投資側は、付与された仮想通貨トークンが上場しなければ売り買いすることができないため利益を得られないということになります。
違い2・議決権の与えられ方に違いがある
IPOの場合、株式を保有している株主たちに配当や優待、株主総会における議決権などの権利が与えられています。
そのため、上場した企業は資金を得られる代わりに、株主たちの意向も反映させた経営を行う必要があるのです。
一方、ICOの場合は投資家たちに議決権はありません。
そのため、ICOを実施した個人や企業は、IPOを実施した企業に比べるとより自由な経営を行うことが可能です。
違い3・エリアに違いがある
IPOの場合、株式が発行できるのは日本国内に限られます。
そのため、日本以外の国から投資を得るのはなかなか難しいものです。
一方で、ICOの場合世界中から資金調達することができます。
仮想通貨の特徴である、世界中のどこにいても送金が可能で手数料も安くスピードも早いというメリットは、この点でも生かされることになります。
違い4・資金調達にあたり踏まれるステップに違いがある
IPOの場合、事業が充実し成長してから企業はIPOを目指すことになります。
数年の準備期間と大きな予算を掛けて上場を進め、その後証券取引所で取引が行われるようになります。
一方でICOの場合は、まずICOで資金を調達してから上場するかどうかが決まっていきます。
その後仮想通貨取引所で取引が開始され、商品やサービスなどのプロダクトが完成し、最終的に事業や会社が成長していくという流れになります。
ICOとクラウドファンディングの違い
さらに、ICOはクラウドファンディングと似ている側面も持っています。
ここではクラウドファンディングの特徴や、ICOとクラウドファンディングの違いについて説明します。
クラウドファンディングとは
引用:https://unsplash.com/photos/-rF4kuvgHhU
クラウドファンディングは、インターネット上で不特定多数の人たちに対して、プロジェクトの実施や商品の開発など、多種多様な目的のために資金を募る資金調達の手法です。
クラウドファンディングにはさまざまな種類がありますが、基本的には資金を集めた側は出資してくれた人たちに対して商品やサービスなどでお礼をすることになります。
ICOとクラウドファンディングの違いとは
引用:https://www.pakutaso.com/201612183575-12.html
ICOとクラウドファンディングは「資金調達」という意味では同じです。
しかし細かく見ていくと、ICOの方が投機的な側面が強いことがわかります。
ICOとクラウドファンディングとの違い
ICO | クラウドファンディング | |
投資家たちへの 投資リターン | 無(仮想通貨トークンのみ) | 商品やサービスなどのお礼 |
出資した権利の譲渡 | 可能 | 不可 |
取引における仲介 | 無 (換金時は仮想通貨取引所) | クラウドファンディングの プラットフォーム |
違い1・投資の対価として出資者が得られるものに違いがある
クラウドファンディングは、前述したように資金を提供した見返りに、商品やサービスなどの「お礼」を受け取ることができます。
一方で、ICOは投資をしても手元に購入した仮想通貨トークンが残るだけで、そのほかに商品やサービスを受けられるというようなことはありません。
しかし、仮想通貨トークンが仮想通貨取引所において上場すれば、購入したときと売却したときとの差額を利益として得ることができます。
上場はハードルが高く時間がかかり、さらに仮想通貨トークンの価値が上がるまでにも期間を必要とするため、ICOは長期的に保有することが前提になります。
違い2・出資の権利を譲渡できるかどうかに違いがある
ICOでは、保有した仮想通貨トークンが上場すると自由にそれを売り買いすることができるようになります。
それにより投資家たちは大きな利益を得られます。
しかし上場が確定していない段階でも、保有している仮想通貨トークンを別の誰かに譲渡することもできます。
一方で、クラウドファンディングではICOのような権利の譲渡は認められていません。
違い3・取引に仲介者を挟むかどうかという点に違いがある
クラウドファンディングは、専用のプラットフォームを使います。
そのプラットフォームに出資する側も出資を集める側も登録する必要があり、資金集めに成功するとその資金の一部をプラットフォームに手数料として支払う必要があります。
一方で、ICOは仮想通貨トークンを購入する投資家とICOを実施する側とで直接の取引を行うことになります。
ICOで得られる資金は仮想通貨なので、それを法定通貨に換金するときにこそ仮想通貨取引所を仲介する必要が出てきますが、仮想通貨トークンの購入にあたっては一対一の取引になり、面倒な手間やコストはかかりません。
ICOを実施する企業のメリット
ICOを実施する企業には、数々のメリットがあります。
ここでは、2017年〜2018年に掛けてICO市場が急速に広がったのも、この実施側のメリットが大きいという理由があります。
ICO実施メリット1・調達した資金の返済義務がない
引用:https://unsplash.com/photos/8lnbXtxFGZw
ICOでは、投資家たちによって投資された資金は、実施側には返済の義務はありません。
これはICOだけではなく、IPOもクラウドファンディングも同様です。
ICO実施側がICOで調達した資金は借金とは性質が異なります。
そのため、万が一上場できなかった場合でもICOの実施側はその責任を追う必要がないのです。
ICO実施メリット2・初期コストが少なく済む
引用:https://www.pakutaso.com/20140530132post-4141.html
また、ICOはコストを掛けずに資金を調達することができます。
IPOが長い期間で数千万円のコストを要するのに比較すると、格段に低コストで済むため、非常に簡単で気軽に行えるのもICOの特徴です。
ICO実施メリット3・証券会社などの仲介が不要
引用:https://unsplash.com/photos/GWe0dlVD9e0
IPOとICOの違いの部分でも解説しましたが、ICOはIPOのように証券会社などの第三者を通す必要がありません。
資金の投資とその対価としての仮想通貨トークンは、実施側と投資側で直接やりとりされることになります。
そのため、厳しい審査なくICOを実施することができますし、手数料を支払う必要もありません。
ICO実施メリット4・日本以外からも資金を集められる
引用:https://unsplash.com/photos/nXt5HtLmlgE
前項でも解説しましたが、日本という狭い世界を超えて、全世界から投資を得ることができる点もICOのメリットです。
ICO実施のためのPRを外国語で行うことができれば、日本国内のみならず世界から共感を得ることができ、資金調達もさらに広がります。
ICOを実施する企業のデメリット
ICOを実施して資金調達をすることには多くのメリットがある一方で、デメリットがあるのも事実です。
ICO実施デメリット1・詐欺との線引きが難しい
引用:https://unsplash.com/photos/J900cHwdS8k
ICOは、IPOのように明確なルールがあるわけでもありませんし、クラウドファンディングのように進め方が単純明快でもありません。
そのため、いい製品やサービスをしっかり開発するために資金を集めたいと思っている人と、初めから詐欺目的の人とが見分けづらいという問題が起こってきます。
製品やサービスなどの開発と、ICOの準備を両方同時に進めるのは非常に難しく、ICOを先に行うパターンが多いのですが、それは詐欺ではないことが明確にPRできないと結局は詐欺案件との見分けがつかなくなってしまうのです。
ICO実施デメリット2・国の規制に注意
引用:https://unsplash.com/photos/dJdcb11aboQ
またICOは、国によっては一部制限がかけられていたり、全面的に禁止されていたりします。そのため、ICOを実施する側はその国の法律をしっかり確認し遵守する必要があります。
詐欺案件が多いことから現在は問題なくとも今後も規制がかかる国は増えてくるでしょう。
いずれにしても明確なルールが定められるまでは、より慎重な進め方が求められるでしょう。
ICOに投資をする人のメリット
続いて、ICOに投資をする人のメリットについて解説します。
ICOは大きな収益を得られる可能性があるため、投資家にとっては非常に魅力的です。
ICO投資メリット1・仮想通貨トークンを使える
引用:https://www.pakutaso.com/20190947261post-23321.html
ICOの対価で得られるICO仮想通貨トークンは、実際に使うことができます。
仮想通貨トークンにはさまざまな形がありますが、製品やサービスなどの中で実際に使えるものの場合もあります。
その製品やサービスを実際に使いたい、そのサービスを応援したいという人がICOに参加した場合、仮想通貨トークンを実際に使えることはメリットになります。
ICO投資メリット2・莫大な収益の可能性
引用:https://unsplash.com/photos/KzUiI7ENbws
ICOで入手した仮想通貨トークンが、仮想通貨取引所で上場すれば売り買いができるようになります。
そしてその仮想通貨トークンの相場が大きく上昇した場合、投資家たちは大きな収益を得られるようになります。
ICOに投資目的で参加した人にとって、これは一番のメリットと言えるでしょう。
2014年にICOを行ったイーサリアムは、今では仮想通貨の中でも取引量がトップの銘柄に成長しました。しかし、ICO当初は1イーサリアムが30円で発売されました。
その後高騰し、一番高い時期で15万円にまで上がり、その価値は約5000倍になったのです。
これだけ高騰する可能性のあるICOは、やはり投資家にとっては魅力的であると言わざるを得ません。
ICO投資メリット3・少ないお金でも投資可能
引用:https://unsplash.com/photos/pElSkGRA2NU
ICOは種類にもよりますが、比較的少ない金額でも投資をすることができます。
一方、IPOは最低出資金額が定められており、有名な銘柄になると株式を購入するのに数十万円必要になることもあります。
手軽な予算で購入できる点も、ICOのメリットと言えるでしょう。
ICOに投資をする人のデメリット
続いては、ICOに投資をする人のデメリットです。
ICO投資はメリットが大きい反面、失敗したときのデメリットも大きいですし、そもそも成功のための保証が他の投資のようには担保されていません。
ICO投資のデメリット1・投資に失敗するリスク
引用:https://unsplash.com/photos/Odc4dcsjUBw
ICOは投資に失敗し、投資した分の資金を失うリスクがあります。
ICOで投資の対価として得られる仮想通貨トークンは、その後値段が上がることもありますし、もちろん下がることもあります。
これはICOに限らず、他の株式投資やFXなど、他の投資でも同じことが言えます。
さらに、ICOの場合は仮想通貨取引所に上場を果たせない可能性もあります。
そのことから、IPOと比べても投資に失敗するリスクは担保するべきです。
ICO投資のデメリット2・規制によりICOが中断されることがある
引用:https://unsplash.com/photos/DmtblAatFtk
また、ICOはまだ明確にルール化されていないため、法整備により突如中断されるリスクがあります。
ICOは日本国内でのみのものではないため、その国ごとのルールについてはある程度知っておく必要もあるでしょう。
ICO投資のデメリット3・短期的投資には向かない
引用:https://unsplash.com/photos/IUY_3DvM__w
ICOは短い期間で収益を上げられるような投資ではありません。
ICO後、上場するまでにも数ヶ月かかりますし、その後実際にサービスや製品ができるまでにも時間が必要です。
そしてその製品が一般的に流通して、価値が上がるまでにも長い期間を要する場合があります。
そのため、長期的に保有するつもりで投資をすることをおすすめします。
ICO投資のデメリット4・詐欺案件に気をつける
引用:https://www.pakutaso.com/20170636157post-11913.html
ICOで最も気をつけなければならないのが詐欺被害です。
ICOの8割以上は詐欺だと言われています。
ICOに参加する前にしっかりとその内容を吟味することをおすすめします。
ちなみに、ICOを実施する側のデメリットとしても説明したように、ICOで資金を募って本当にいいサービスや製品を世に送り出したいと力を尽くしているようなICOであっても、外側から見ると詐欺案件との見分けがつかないことは多くあります。
最低でも以下のポイントについてはよく確認するようにしましょう。
ホワイトペーパーをよく確認する
詐欺案件に騙されないようにするためには、まずプロジェクトや事業についてが書かれてあるホワイトペーパーをしっかりと確認し、自分でもその分野について勉強することが必要です。
そもそもホワイトペーパーが見つからない、存在しない場合は投資をやめましょう。
プロジェクトやメンバーのSNSをチェック
さらにSNSをチェックすることも重要です。
ICOの情報はtwitterやfacebookなどのSNSで情報公開されていることが多く、それに携わるメンバーもSNSで情報公開されていることが多くあります。
そういったSNSを確認しながら、メンバーについてやプロジェクトの進行状況などを見ておくのもおすすめです。
また、ICOには必ずプロジェクトの実施者・運営者がいますから、その運営者の過去の実績や経歴を必ず確認するといいでしょう。
プロジェクトへの過去の出資者を確認する
すでにそのプロジェクトやそれを行う企業が他から出資を受けている場合、出資をどこから受けているかもチェックポイントです。
著名な人物や投資家、有名人にその名前がある場合には、ない場合に比べると詐欺案件である可能性は低く安心材料になります。
反対に、ICOはインターネット上で情報がたくさん出てくることはあまりありません。
投機的な面から考えると有名で情報が多いICOは参加する人も多く、大きな収益が得られる可能性が低いからです。
こういったさまざまな要素を吟味しながらICOに参加するかどうかを決めましょう。
ICOの将来性や今後注目される資金調達
実施側、投資側、それぞれにメリットやデメリットがあるICOですが将来性はあるのでしょうか。
また、ICOに代わりここ最近注目されている資金調達方法についても解説します。
ICOの将来性
引用:https://unsplash.com/photos/xU5Mqq0Chck
ICOは2017年から2018年にかけて大きな盛り上がりを見せ、市場も広く拡大しました。
しかしその一方で、その不明瞭な部分や明確にルール化されていない点から詐欺が横行したのも事実です。
しかし、ICOはグローバルに繰り広げられるものであることから規制が難しい部分もありますし、一方で健全に進めるために透明性を担保するのも難しい部分があります。
こうしたことから、より安全で透明な資金調達の方法としてICO以外の方が今注目されています。
ICOに代わる資金調達方法「STO」
引用:https://unsplash.com/photos/DfjJMVhwH_8
STOとは、セキュリティ・トークン・オファリングの略で、ICOに代わる資金調達方法として注目されています。
ICOの大きなデメリットに、詐欺案件との見分けがつき難いというものがありました。
STOは、有価証券などをデジタル化するため投資家が配当をもらえるという特徴があり、さらに参加できる人にも制限が定められているため、よりクローズな特性があります。
また、資金を調達する側にすると、STOはICOよりも情報を開示することが求められます。
反対に、IPOと比べると期間的にも資金的にも負担が軽減されるという特性を持ちます。
ICOに代わる資金調達方法「IEO」
引用:https://unsplash.com/photos/ZzOa5G8hSPI
IEOとは、イニシャル・エクスチェンジ・オファリングの略で、仮想通貨取引所がICOを代行する資金調達方法です。
ICOでは、運営側が直接投資を募りましたが、IEOの場合は一旦運営側が仮想通貨取引所に発行した仮想通貨トークンを送り、取引所は運営側に代わって投資家に仮想通貨トークンを販売することになります。
大手仮想通貨取引所であるバイナンスは、このIEOのスタイルの案件を2017年に行いました。
しかし当時は注目を集めることができずバイナンスはこの事業を中止していましたが、2019年に入ってICOにかかる規制が厳しくなったことや、ICOの不透明性から詐欺案件が増えたことにより、バイナンスはIEOに再度着手しています。
IEOに参加する仮想通貨トークンは、必然的にその取引所に上場されることにもなるため、投資家保護の観点からしてもIEOは非常に注目を集めています。
ICO投資を始めるには
最後に、ICO投資を始めたいという人に向けて、その始め方について簡単に解説します。
ICO情報の収集
引用:https://unsplash.com/photos/Q7wDdmgCBFg
まずは、ICOの情報を集めることです。
前述したように、ICO情報はインターネット上に溢れているわけではありません。
SNSやメールなどのクローズな情報など、情報を得られそうな場所に登録し、集められるだけの情報を集めたらそれらをじっくり吟味することをおすすめします。
ICO取引に必要な仮想通貨を購入する
引用:https://unsplash.com/photos/na8l3EPqpvY
また、ICOはほとんどの場合、法定通貨で投資をすることはできません。
そのため、そのICOで取り扱っている仮想通貨を購入する必要があります。
仮想通貨を購入するためには、その仮想通貨を取り扱っている仮想通貨取引所に口座を開設する必要があります。
仮想通貨取引所での口座開設方法については次の記事を参考にしてみてください。
ウォレットに仮想通貨を移す
引用:https://www.pakutaso.com/20180208039post-15137.html
仮想通貨取引を安全に行うためには、取引所の口座に入れておくのではなく自分で選んだウォレットに移すことをおすすめします。
ウォレットにもさまざまなタイプがあり、アプリのように使えるものもあれば、USBのようにオフラインで管理する方法もあります。
より安全に管理するためにはオフラインで管理するコールドウォレットがおすすめです。
コールドウォレットの一種であるハードウェアウォレットについてはぜひ次の記事も参考にしてみてください。
仮想通貨を参加するICOに送る
引用:https://unsplash.com/photos/dDvrIJbSCkg
仮想通貨を購入したら、あとは参加するICOに送金するだけです。
ICOでは事前登録することでプレセールに参加できるパターンが多いです。
ICOに送金すると、仮想通貨トークンが付与されて自分のウォレットに入ることになります。
あとは、その仮想通貨トークンをプロジェクトで使用したり、上場を待って売り買いするなど、自由に取引ができるようになります。
まとめ・ICOは情報収集が鍵・これからも注目を!
ICOについて、その目的や仕組み、さらにICOを実施する側とICOに投資をする側の両方からみた特徴やメリット・デメリットについて解説しました。
いかがでしたでしょうか?
ICOは簡単に説明を済ませるには非常に奥が深く、知れば知るほど次々に新しい概念について知る必要があり、全体的に理解をするには情報量があまりに多いです。
しかし、とにかくICOにおいて重要なことはこれです。
- 実施する側は投資してもらえるような信頼性を獲得するためにPRなどの情報発信をしっかりと行うこと
- 投資する側は実施側の発信する情報を出来るだけ多く収集し、それをしっかり吟味すること
明確にルール化されていないICOで投資側として失敗しないためには、当面は自己責任で私財を守るしかありません。
情報をしっかりキャッチし、計画的なICO投資を行いましょう。