2016年の調査によると、世界のキャッシュレス化の状況は、
韓国96.4%
イギリス68.7%
オーストラリア59.1%
シンガポール58.8%
カナダ56.4%
スウェーデン51.5%
アメリカ46.0%
フランス40.0%
インド35.1%
日本19.8%
ドイツ15.6%
以上のようになっています。
出典:BIS「Statistics on payment, clearing and settlement systems in the CPMI countries」、WorldBank「World Development Indicators」
どう見ても、日本がキャッシュレス化後進国であることが明白です。
今回の記事では、この日本におけるキャッシュレス決済の状況についてわかりやすく解説します。
具体的には、
・日本ではなぜキャッシュレス決済が進まないのか?
・政府がキャッシュレス化を促進している理由は何なのか?
・世界ではどのようなキャッシュレス決済が普及しているのか?
以上について深く理解できるような内容になっています。
消費増税と同時にスタートした、政府のキャッシュレス決済を促進する事業によって、今多くの人がキャッシュレス決済について関心を寄せています。
そのためキャッシュレス決済について、しっかりと正しい知識を身につけ、自分のお金の使い方について学んでおく必要があります。
キャッシュレス決済について、個人で知っておくべき内容について載せています。
9分くらいで読めますから、ぜひ読んでみていただきたいと思います。
もくじ
日本はなぜキャッシュレス決済が進まないのか
まずは、日本でキャッシュレス決済が進まない理由について解説します。
そこにはたくさんの理由があることがわかります。
現金主義が根強い
引用:https://www.irasutoya.com/2013/04/blog-post_5033.html
その理由の一つ目は、現金主義や現金崇拝を持っている日本人が多いということです。
日本は世界の中で一番と言っていいほど治安のいい国です。
そのため、現金をたくさん持ち歩いていても盗難リスクは非常に小さいです。
また、日本の造幣技術は非常に高く偽札が作りにくいため、現金に信頼が置かれているのもその理由の一つです。
また、銀行やATMなどの現金を引き出すインフラがいたるところにあります。
そのため、現金を使っていても不便さを感じないということが、キャッシュレス化に移行しづらい原因でもあります。
銀行側もATMから得られる手数料による収入は莫大であることから、キャッシュレス化に対して前向きな姿勢は取ってきませんでした。
さらに、クレジットカードなどの手元に現物がないお金を使うことで、いくら使ったのかを体感しづらいことから、現金が好まれ続けてきたという背景もあります。
現金しか使えないお店が多い
引用:https://www.irasutoya.com/2018/11/blog-post_929.html
理由の二つ目には、現金以外が使えないお店が多いという点も、キャッシュレス化が進まなかった理由です。
クレジットカードで言うと、お店がクレジットカード決済を導入するためには、読み取り機器の設置、通信料、クレジットカード会社に支払う手数料3~7%と、導入ハードルは非常に高いものでした。
この手数料については、カード会社が債権リスクを追うため、小規模な店舗ほど高く設定されます。
これにより、必ず現金を持ち歩いていないと不便、という消費者の認識があったことも、キャッシュレス決済がこれまで進まなかった理由です。
しかし、消費増税により政府がキャッシュレス決済促進を打ち出したことにより、小規模店舗でもQRコード決済などが導入しやすくなりました。
この点については、これを機に大きく改善されていくと考えられます。
キャッシュレス化のメリットを知らない人が多い
理由の3つ目には、キャッシュレス決済によるメリット知らない人が多かったことが挙げられます。
キャッシュレス決済にすることで、ポイントが付与されます。また、銀行口座と支払いアプリが連動していることからATM手数料を節約することもできます。
また、財布を落としたときには現金が戻ってくることを諦めますが、キャッシュレス決済ではお金のように落とすこともないですし、万が一のときでもすぐにストップさせることができます。
これについては、PayPayの100億円還元キャンペーンや、政府のキャッシュレス決済5%ポイント還元により、お得感が広く認知されるようになりました。
メリットを知り、キャッシュレス化に移行する人たちも増えていくでしょう。
政府はなぜキャッシュレスを推進するのか
このように、消費増税に伴って、政府はキャッシュレス決済を強く後押ししています。
では、なぜ政府はここまでキャッシュレス決済を強く推進するのでしょうか。
いくつかの理由があると言われています。
現金管理コストの削減
引用:https://www.irasutoya.com/2013/06/blog-post_292.html
一つ目は、現金を管理するためのコストを削減するという理由です。
現金を取り扱うことに伴うコストは、毎年約8兆円発生していると言われています。
そのうち金融関連の現金管理やATM運営などにかかっているコストが約2兆円、小売・外食産業の現金取り扱いにかかる人件費が約6兆円です。
日本では少子化による人口減で今後ますます労働力が減少します。
しかしこの人件費6兆円については、キャッシュレスの導入により労働力の最適化を図ることが可能になるため、問題解決にもつながります。
インバウンド需要
引用:https://www.irasutoya.com/2014/07/blog-post_4069.html
また、2020年のオリンピックや、観光客の増加によるインバウンドにも、キャッシュレス決済が貢献します。
現金しか使えない場合よりも確実に利便性が向上するため、より消費拡大につながります。
インバウンド需要への対策はキャッシュレス決済推進のための大きな理由の一つとしても大々的に打ち出されているため、オリンピックを目前にしたこの時期に、より拍車がかけられているのです。
海外プラットフォーマーへの対抗措置
引用:https://unsplash.com/photos/W1B2LpQOBxA
GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)といわれるアメリカの巨大IT企業群に対抗することも、キャッシュレス決済促進の理由です。
このような企業はプラットフォーマーと呼ばれ、メールや情報検索、SNSツールを無料で利用することができたり、ネットでの買い物手数料が安くなったりする代わりに
そこから得られるビッグデータをAI分析することで、マーケティングに活かしたり、次の「もうけ」に活用しています。
日本では、GAFAなどの第一次プラットフォーマーには出遅れていますが、ソフトバンクグループが後進ながら名乗りを挙げています。
またPayPayなどが打ち出す巨額のキャンペーンも、今後ビッグデータ活用によりさらなるもうけを出すための先行投資であることは明白です。
このようにプラットフォーム事業において世界に遅れを出していることは、政府や経済産業省も危機的に捉えており、そのことがキャッシュレス化への大きな動機となっています。
不透明資金流動抑止による税収アップ
また、不透明な資金の流動をキャッシュレス化によって抑止することで、税収をアップさせようというのも政府の狙いです。
現金は、使う側にとっては明確なツールですが、外から見ると動き方が見えづらいものです。
つまり、キャッシュレス化を進めることで、個人によるお金の動きをデータとして把握することができ、そのデータを元に税収に繋げることができるということです。
このキャッシュレス化による税収確保の最大のターゲットは、中小企業経営者や個人事業主であるとされています。
これまで経費として計上してきた、個人的な支出や家族の支出、領収書のないどんぶり勘定も、これからは明確になってくるであろうと言われています。
こうしてキャッシュレス化が進むことで利便性向上や税収補捉には成功するものの、政府が個人情報を利用することによる危険も高まりますし、こういった情報を思想調査や世論誘導に使わないとも言い切れず、メリットに喜んでばかりいられないのも事実です。
マネロン天国日本からの脱却
引用:https://unsplash.com/photos/8fDhgAN5zG0
また、キャッシュレス決済を進める理由には、明言されていないものの、マネーロンダリング対策があるとも言われています。
国際機関のFATF(ファトフ、金融活動作業部会)が2008年に日本に対して実施した審査では、日本のマネーロンダリングに対する対策の甘さが浮き彫りになりました。
その後政府を中心に対策を行ったものの、2014年には同機関から日本のマネーロンダリング対策に関する法整備の遅れを指摘する異例の声明が出されました。
この他にも、2017年には愛媛銀行が北朝鮮の関与が疑われる送金を見過ごすという事件も発生しています。
犯罪者から見ると、現金の動きが活発な日本はマネーロンダリングの天国であると表現されているようです。
政府は増税に合わせたキャッシュレス還元事業の推進で、現金の流通量を低下させ、マネロン天国からの脱却を図るという動きに出たとも言えます。
世界では当たり前のキャッシュレス決済
世界では、当たり前のようにキャッシュレス決済が進んでいます。
しかし自然とそうなったわけではなく、各国政府がしっかりと導線を引き、企業や国民をうまく誘導してきたことがわかります。
中国のキャッシュレス化
引用:https://unsplash.com/photos/yBroAF1cN3I
中国では、「Alipay(支付宝)」と「Wechat Pay(微信支付)」がキャッシュレス決済方法として多く使われており、いずれもQRコードによる決済です。
QRコード決済は導入コストが最もかからないと言われており、日本でもインバウンド対策として早くから導入が進みました。
中国では現金を使用している人はもはや少数であると言われています。この決済方法はネット通販などのECでも利用が可能であることから、今後ますます利用者が増加していくであろうと言われています。
韓国のキャッシュレス化
引用:https://unsplash.com/photos/VrznpTr_lg0
2016年の調査によると、韓国のキャッシュレス化は96.4%と非常に高い数字が出ており、世界の中でも群を抜いています。
韓国のキャッシュレス決済では、クレジットカードの利用が最も多く、消費者やお店側にメリットのある施策を政府がしっかりと打ち出すことができたため、導入が促進されたと言われています。
具体的には、クレジットカード利用額の20%を所得控除として認めたり、宝くじの権利を付与するといった施策です。
さらに、年商240万円以上のお店にはクレジットカード決済の対応を義務化しました。これにより、クレジットカードによるキャッシュレス決済が爆発的に増えたと言われています。
シンガポールのキャッシュレス化
引用:https://unsplash.com/photos/__cBlRzLSTg
シンガポールでは、2025年までに小切手の使用をなくす方針を打ち出しています。
モバイルで個人間での送金が可能な「ペイナウ」では、24時間対応をしています。
さらに決済業者や方法が多様化していることから、QRコードの統一規格である「SGQR」を導入しました。
シンガポールの人口の80%が電子決済を利用したことがあるということで、今後も電子決済の拡大が進むと思われており、それにより現金の使用機会を減少させていく狙いです。
インドのキャッシュレス化
引用:https://unsplash.com/photos/_WuPjE-MPHo
インドでは、2016年に高額紙幣の取り扱いを廃止してキャッシュレス化の促進を図ったものの、現段階においては現金決済が主流であり、まだ時間がかかるであろうと言われています。
しかし、インド準備銀行では、公共交通機関で非現金決済を導入したり、BtoC間においてモバイル決済を導入するなどで取り組みを進めています。
インドの地方地域ではATMの利便性が低い地域も多いため、このような施策がうまくいった場合、キャッシュレス化が急速に進むことも考えられます。
スウェーデンのキャッシュレス化
引用:https://unsplash.com/photos/FMtCI4zIVGk
スウェーデンでは、銀行などでの現金強奪が多いこと、冬の現金輸送が難しいことから、早くから政府主導でキャッシュレス化を推進してきました。
小切手をデビットカードに移行、公共交通機関で現金を使えなくするなどの取り組みを進めています。
2012年には、個人間で送金ができるサービス「Swish」の利用が始められ、スウェーデン人口の6割以上が利用しています。
現金が使えないお店も増えてきており、徐々にキャッシュレス化が進んでいます。
まとめ・日本のキャッシュレス化には裏事情も・ますます世界でキャッシュレスが進む
日本をとりまくキャッシュレス事情や、世界のキャッシュレス化について解説しました。
重要なポイントをまとめます。
・現金主義が根強い日本だが、キャッシュレス還元事業や利便性の向上で今後日本もキャッシュレス化が進む
・日本がキャッシュレス化を推進するのには、インバウンド対策やプラットフォーム事業創出の他にも、税収捕捉やマネロン国脱却の狙いがある
・世界では政府のアイデアフルな施策でキャッシュレス化が進んでいる
キャッシュレス化は利便性が高く、さらに消費者への還元やメリットも多いことから、今後も急速に進んでいくことが見込まれます。
しかしそれと同時に、お金の動きを政府に全て把握されるというデメリットがあるのも事実です。
流れに逆らうことは難しいものの、せめて個人が変化に敏感になり、その変化の理由や裏事情を知っておくことはますます重要になるのではないでしょうか。
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