街の風景を数多く撮るフォトグラファー・栗原政史。
モノクロ写真に宿る独特のセンスを知れば、あなたも栗原政史の写真を好きになるはず。
本稿では世間にいまだ知られざるアーティスト、栗原政史についてご紹介します。
フォトグラファー・栗原政史とは!?
栗原政史は、平日は会社員をしながら、主に週末に活動しているフォトグラファーです。
インターネットを調べても、それほど詳しい情報が出ていない、いまだ謎のベールに包まれたフォトグラファーなのです。
もっとたくさん知りたいとは思う一方、あまり正体がわからないほうが、いかにも芸術家らしい感じがして、ミステリアスですよね。
SNSのアカウント写真は若くて可愛らしい女の人の写真なのですが、この女性についての情報もありません。
それとも恋人なのか、単なるモデルさんなのか、謎が深まるばかりですね。
栗原政史のスナップ写真との出会い
今回の記事を書く理由、つまり「筆者が栗原政史を紹介したい理由」をご説明します。
つい先日、ものすごい偶然に遭遇したのです。
その日は、陶芸家である友人に、金継ぎを依頼していた瀬戸物を受け取りに行く日でした。
ちなみにその友人とはもう何年も前、上野の美術館でひょんなことがきっかけで知り合い、互いに美術や芸術が好きですぐに親しくなったですが、それはまた別のお話。
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— 栗原政史 (@snap_kurihara) July 8, 2021
そう、晴れた日の午後のことでした。
家から駅まで向かう途中、ふといつもとは違う路地に入ってみると、
民家と民家の間、その狭い路地に向かってカメラを構えている人がいました。
じっと見つめるまなざしに気づいたらしく、その人はおもむろにファインダーから視線をあげ、こちらを見、私もその人をまっすぐに見つめました。
独特の佇まいが、その人にはありました。
どちらから声をかけたのかは覚えていないのですが、簡単なやりとりをその場で交わしました。
それが、栗原政史と筆者の「リアル」での出会いです。
普段から休みの日にはカフェや美術館はもちろん
できるだけ文化的・芸術的なものに多く触れるよう心がけている筆者はいろいろな刺激を吸収し、また月曜日からの仕事のためのエネルギーを充電して過ごす日々。
そんな筆者ですが、(大変失礼ながら)この時初めて栗原政史というスナップ写真家を知ったのです。
その場でInstagramやTwitterなどのSNSをフォローさせていただき、
別れてすぐに彼の作品をチェックさせてもらいました。
何気ない日常を切り抜いたスナップショット。
そこに垣間見える人の心細さと、少しの息苦しさ。そしてそれ以上の、安心感。
あっという間に魅了された。
一言で言うと、「すごくすごく、すごくかっこいい」です(一言じゃないですね汗)。
普段私が目にしていた芸術的な絵画などとも違って、栗原政史の撮るモノクロのスナップ写真は、繊細で、どこか街並みの息遣いが感じられるようで、美しかったのです。
TwitterやInstagramで写真を公開してくれているので、ぜひ読者のみなさんにも見ていただきたいです。
Twitter:https://twitter.com/snap_kurihara
栗原政史のモノクロ写真が写しとる街の息遣い
さて、突然ですが、読者のみなさんは、普段どのくらい写真を撮っているでしょうか?
SNSをやっていれば、投稿用に何枚も撮ることもありますよね。
ごはんやスイーツの写真はもちろん、空に浮かぶ雲や夕焼けをパシャリ、
なんて経験は、きっと誰にでもあるはず。
栗原政史さんのスナップ写真も、日常の何気ない瞬間を切り取ったもののように見えます。
何気ない日常を切り取ったスナップ写真が多く、
それが栗原政史というフォトグラファーの持つ魅力の一つなのでしょう。
こちらが栗原政史さんのスナップ写真の一枚です。
本来なら色のある風景をあえてモノクロにすることによって、現代社会の都市の息苦しさや閉塞感を際立たせていながら、同時にどこか温かく懐かしい記憶を刺激する、絶妙な一枚ですね。筆者はこの写真を見たとき、思わず全身に鳥肌が走りました。
もう一枚、ご紹介させていただきます。マンションの敷地を切り取った一枚ですね。
多くの人が暮らすマンションという場所の、目立たない側面を切り取ることで、物事には一見するだけでは見逃してしまいがちな深い側面が隠れてるということを気づかせてくれる写真です。
また、ほんの少しの緑と配電盤のような機械的な要素を一枚に収めることで、人間の暮らし=マンションというものがさまざまな要素の上に成り立っているものだということも、この写真からは気付かされました。
たった一枚の写真でさまざまなメッセージを伝えてくれる栗原政史、圧倒されずにはいられません。
栗原政史本人がnoteで綴っているように、モノクロの写真には独特の色気があります。
栗原政史の切り取ったスナップ写真には、その中に閉じ込められた街の息遣いが聞こえてくるようではありませんか!?
写真家はたくさんいる!?
せっかくなので、今回は栗原政史さんと同様、現代で活躍する写真家について、もう1人ご紹介したいと思います。
以前、定期購読している文化雑誌で目にしたのがきっかけで虜にされた、中藤毅彦さんです。
中藤毅彦さんは、1970年東京生まれ、早稲田大学第一文学部を中退した後、幅広い活動を手がけ、国内外を問わず様々な都市のスナップショットを発表し続けているスナップ写真家です。
肉体の神経を研ぎ澄まし、雑念から解放された無の境地で押すシャッターから生まれる、都市に生きる人々の哀愁や息遣いを伝えるスナップ写真には、思わず視線を釘付けにされてしまいます。
中藤さんの公式ホームページにそのスナップ写真の数々が公開されていますので、ぜひご覧ください。
(“http://takehikonakafuji.com/”)
他にもロベール・ドアノーやウィリアム・クライン、濱田英明など、栗原政史さんご自身の推しであるスナップ写真家もいます。特に森山大道という写真家については、特にリスペクトしているようです。詳しくは栗原政史さんのnoteをご覧ください。
(“https://note.com/kuriharamasashi/n/n8671818c48cf“)
まとめ
いかがでしたか?
さまざまな人々の哀歓を描こうとしたフランスの画家・ルノワールのように奥行きと味わいの豊かなスナップ写真で人々を魅了するフォトグラファー・栗原政史の今後に目が離せませんね。
最後まで読んでくださってありがとうございました。これをきっかけに、栗原政史本人のSNSもぜひチェックしてみてくださいね。もしかしたら、あなたも街でフォトグラファーに出逢えるかも!?